高 田 誠 が面白くお伝えするコーナーです。
1915年にブランズウィック社からミネラライトと云うラバーボールが発売されると、米国では、日に日にボウリングを楽しむ人が増え、ボウラーの間でボウリングの技術的進化が始まりました。
1930年代に、ビュウィック自動車会社のエンジニアであったサリー・ベイツ氏は、当時はまだ親指と中指の2穴であったボールをガールフレンドの女性が大変苦労して投球しているのを見て、もう1個の薬指用の穴を加え、さらに親指穴にピッチ(角度)を入れることで彼女の問題を解決することを考案しました。
これは、同時にXY軸の水平移動が出来る(ピッチが入れられる)ドリルマシンの開発があったことも意味しています。
これがいわゆるベイツ・グリップです。 そして第3の穴がドリルされたボールが瞬く間に全米のボウラーに広がり、既製品の3穴のボールが生産が間に合わないくらいに飛ぶように売れた歴史が残されています。
おそらくこの時代のボールは現在のハウスボールに似たコンベンショナル・グリップだったと考えられます。
価格は当時としては決して安くない20ドルから30ドルで売られていたようです。
これはボウリングボールの大革命でしたが、この時代はまだそれぞれの手に合わせたオーダーメイドではなく、すでに3穴がドリルされた既製品ボールが売られていたようです。
次回はさらに進歩したフィンガーチップ・グリップの歴史をお伝えしましょう。
